verywood2019
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009120mm120mm4.2mm危険レベル 1一般的な乾燥材は乾燥されていても、まだ変形します。綿状の断熱材は湿気を吸うと自重で下がり、縮んだまま元に戻らず、断熱性能を一気に下げ、より結露が起こりやすい状態になります。危険レベル 2壁の中で結露が起こるとカビが発生し、「腐朽菌」が現れます。乾燥が不十分だと建ててからこんな被害が出ます。木を知らない人が、建ててから後悔しています。天然木ならすべて同じと思っていては危険です。木の家の寿命は「乾燥」で左右します。一番怖いのは、目に見えない内部結露です。不十分な乾燥木材を使ったことで起こる不具合の中で一番怖いのは壁の中で 起こる「内部結露」です。木材の変形でできたすき間から、屋内の暖気と屋外の寒気が壁の中で混ざり合ってしまうと結露が発生します。その結露が「恐ろしい連鎖」を引き起こすのです。結露は壁の中にカビを繁殖させ、さらにカビの繁殖条件と同じ、木を腐らせる「腐朽菌」が繁殖します。土台や柱を腐朽菌が食い荒らし木がボロボロになります。床板の変形・収縮により、床に凹凸ができ、つまずきやすくなり危険です。また、床板が変形しているのに床板を止めているビスやボンドによって動きを抑えるため、床鳴りが発生します。ドアやサッシの枠、引戸の鴨居・敷居が変形して 開閉が困難になります。ひどい場合は戸が開かなく なることもあります。骨組みに使われた柱や梁、また床材が変形してできたすき間から、冷たい空気が入り込み、室内が冷え込みます。当然暖房効率も下がります。■床板の変形■建て付け不良■床や壁からすき間風水を含んだグラスウールは乾いても元にはもどりません。含水率が30%以上で一辺が120mm角のスギ柱を施工し、施工後自然に乾燥 して含水率が15%になったとするとどれくらい 縮むのでしょうか。スギの板目材(T方向)が含水率 15%まで乾燥したときの収縮率は3.5%である ため、収縮量を計算すると120mm×0.035=4.2mm となり、したがって約4mm縮み接合部(柱と鴨居 の間)などに隙間ができます。市販の乾燥材D18(含水率18~20%) の床板を室内に位置しておいた例 です。室内平衡含水率の5~10% に達していないこのような乾燥材 を使用すると写真のような変形が 生じ、建築後に不具合がでます。どんな木材でも乾燥していくと、含水率30%前後から収縮を始めます。冷暖房の使用頻度が高く、 断熱性能が発達した現代の住宅では平均約5~10%に落ち着くまで、収縮・変型は続きます。乾燥 が不十分な木材(含水率20%以上の木材)は、建ててから徐々に水分が抜けていく過程で変形 していきます。右の写真のように柱が歪んだり、床板が反るなどの不具合が生じてきます。建てた 時に問題ないといっても、その後数十年暮らすということをしっかりと認識しておきましょう。(地域 や使用環境により数値は異なります。)■杉の柱■赤松の床板木材の変形木材の反り木材の収縮危険レベル 3腐朽菌は骨組みを腐らせ、住宅その ものを倒壊の危険にさらします。危険レベル MAX構造の弱った建物は地震などの災害時に倒壊の危険があります。Trouble 1Trouble1le1Trouble 2Trouble2le2反り杉:未乾燥材(含水率120%)杉:乾燥材(含水率10%)反り赤松:未乾燥材(含水率130%)赤松:乾燥材(含水率5%)変形変形

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